生松のあゆみ

「青潮を見つめながら、岩間に根を張る生松のように育ちたい。」
 義父 網干 徹二郎が残した言葉である。安藤 広重作「阿波の松波の風景」にある荒波にもまれても懸命に伸びる松のように育ってほしいという義父の願いであった。

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 開店祝いとして広重の版画を義父から贈られたのは昭和51年3月1日であった。玄関の竹の土に雪が降り積もる寒い日に、姫路のネオン街の魚町の一角に小さなお店を構えました。
 
 生松もそれから早や30年を迎えることになりますが、30年と言っても一言では言葉に表すことの出来ない様々な出来事がありました。

 5坪の8名様が入ると満席というカウンターだけのお店だったので、「早くから予約をしないとお店に入れてもらえない」と、お客様からの口こみでひろがりました。

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 当時、食通という食道楽が沢山おられ、大阪、神戸等、遠方のお客様とか地元の食通のお客様が来て下さるというとても良いお客様に恵まれ、5年後には本格的な懐石料理を売る店を構え、侘び、寂び、茶室風のたたづまいの一軒屋をオープンすることが出来ました。

 毎日々々、仕込みした材料が全部売れ、表で待って下さるお客様もありという日々が続き、10年後には又、新しいビルを建てるまでと成長しました。 

 お客様に「おいしかったよ」と、喜んでいただける言葉を励みに「ま心こめて」日本料理一筋、これからも精進して参りたいと思っております。

 四季折々、日本料理で芸術を感じていただけるような素晴らしいお料理を是非ご賞味下さい。

                              女将 網干 政恵